ケミ・バデノック氏は党首選挙で歴史的な勝利を収めた後、保守党から離れた有権者を取り戻すと約束した。44歳にして、彼女は英国で主要政党を率いる初の黒人女性として歴史に名を残した。7月の総選挙で党史上最大の敗北を喫したリシ・スナック氏の空席を埋めることを目的とした長期戦で、バデノック氏は同僚候補のロバート・ジェンリック氏に1万2418票差で勝利した。

バデノック氏は勝利演説で、党を「刷新」する意向を表明し、支持者らに「本腰を入れる時だ」と訴えた。9年足らずで6人目の党首となったバデノック氏は、サー・キール・スターマー氏の労働党政権に効果的な対抗策を打ち出すと同時に、党内の分裂を修復するという課題に直面している。サフラン・ウォルデン選出のバデノック議員は、保守党が離党した有権者を取り戻す必要性を強調し、「わが党はわが国の成功に不可欠だ。声を届けるためには、正直でなければならない」と述べた。

バデノック氏は、14年間の政権下で党が「間違いを犯し」、党の水準を低下させたことを認めた。選挙活動中、彼女は具体的な政策を示さず、代わりに保守党の核となる価値観に立ち返ることに注力した。今後数日間で党のビジョンを概説する中で、注目は彼女の幹部チームメンバーの選択に移っている。彼女は、選挙活動でライバル関係にあったにもかかわらずジェンリック氏を称賛し、彼が政権内で重要な役割を担うかもしれないと示唆し、彼が党の将来に重要な役割を果たすだろうと述べた。

バデノック氏は党首選に参加した保守党の候補者全員にオファーを出す意向を示しているが、3位となったジェームズ・クレバリー氏はいかなる役職も辞退している。報道によると、彼女は重要な予算案採決や首相質疑応答でのサー・キール氏との最初の対決など、重要な議会行事を控え、週半ばまでに影の内閣を発表する予定だという。

ジェンリック氏は敗北後、公の場でコメントしなかったが、ソーシャルメディア上で支持者に、同氏が「悲惨な労働党政権」と呼ぶ政権に対抗してバデノック氏を支持するよう呼びかけた。また、英国共通の価値観に基づいた保守党という同氏のビジョンに賛同した人々に感謝の意を表した。バデノック氏の当選には、リシ・スナック氏やボリス・ジョンソン氏など、同氏のリーダーシップを称賛する前任者数名から祝辞が寄せられた。

労働党の議長は保守党の選挙運動が過去の失敗から学んでいないと批判したが、他の政治指導者たちはバデノック氏の功績が英国政治における多様性の歴史的瞬間として重要であることを認識した。最近の党首選では、移民や経済回復などの差し迫った問題が浮き彫りになった一方、前回の選挙結果以来保守党への有権者の支持が大幅に減少していることがわかった。