イスラエル海軍、大胆な襲撃でヒズボラ幹部を捕獲
イスラエル軍は金曜日、レバノン北部の町バトラウンでの海軍作戦中にヒズボラの高官を捕らえたと発表した。軍報道官は、特殊部隊がこの人物を拘束し、「特別作戦」と称される作戦の一環としてイスラエルに連行することに成功したと述べた。 レバノンの国営通信社によると、「正体不明の軍隊」が夜明けに海岸を襲撃し、近くの建物に突入して1人を逮捕した後、スピードボートで急いで立ち去ったという。この行動はレバノン当局から大きな反発を招いた。ナジブ・ミカティ首相は、この事件を受けて外務省に国連安全保障理事会に苦情を申し立てるよう指示した。 さらに、レバノン軍と国連平和維持軍ユニフィルの双方が襲撃をめぐる状況を調べており、ミカティ氏は迅速な捜査を求めている。レバノンのアリ・ハミーエ運輸大臣は、この作戦が2006年のイスラエルとヒズボラの紛争後の敵対行為停止を目的とした国連安全保障理事会決議1701に違反している可能性があると懸念を表明した。同大臣は「拉致が海軍の上陸によって行われたことが確認された場合、これは決議1701の執行にどのような意味を持つのか」と疑問を呈した。 ヒズボラは捕虜の身元に関するイスラエルの主張にまだ反応していない。しかし、地元メディアは、問題の男は民間船の船長に過ぎない、とハミーエ氏が主張したと報じた。ネット上に流出した映像には、兵士らがバトラウンの建物の間を捕虜を護送する様子が映っているとされている。 イスラエル軍からの詳細はまだほとんど明らかにされていないが、海から陸への作戦遂行で知られるエリート海兵隊特殊部隊「シャイエテット13」がこの任務に関与していたことは確認されている。バトラウンはベイルートの北に位置するキリスト教徒が中心の町で、レバノン国内でのイスラエル軍の軍事行動からはほぼ隔離されている。イスラエル軍の軍事行動は主に南部地域、東ベカー高原、ベイルート南部郊外を標的としている。 イスラエル軍筋の報告によると、イスラエルが9月30日に地上侵攻を開始して以来、レバノンでは2,200人以上が死亡した。また、この期間中、イスラエルへのロケット弾攻撃が激化する中で38人の兵士が命を落としたとも指摘されている。 外交官らがレバノン情勢への対応に戻る中、ミカティ首相は停戦協議の可能性について慎重ながらも楽観的な見方を示した。一方、アイルランドのサイモン・ハリス首相は、同地域の情勢について報告を受けており、今後も最新情報を継続的に受け取っていると述べた。